みなさんは「気くばり」ってできてますか? 学生の方からすると「大人ってルールとかマナーとか、気を使う場面が多くて大変そう……」そんなイメージがあるかもしれません。しかし、本当の大人の気くばりとは、自然に行われるもの。今回は、そんな「媚びない 無理しない さりげない」を掲げた、もっと自然に、もっと上手に生きたい大人のための一冊をご紹介します。
本書は、うちとけるとき、感謝するとき、何かを贈るとき、断るときなど、あらゆる場面で必要な気くばりを、イラストつきで楽しく学べる構成になっています。ますこえりさんのシュールなイラストが、社会で遭遇する様々な場面をリアルな空気感で、ユーモアを交えながら表現しています。
どれも絶対に必要なことではないし、
(p2より)
やらなくても決して失礼にならない。
けれど、されるとなんだかうれしいこと。
思わず笑顔になって、キュンとする小さな工夫。
それがこの本で紹介する気くばり。
そう、気くばりとは日常に必須のものではないのです。だから、本書を隅々まで熟読して、全て完璧にこなそうなんて、気負う必要はありません。パラパラと楽しみながら読んでいるうちに、自然と記憶に残ったものだけ、思い出したときに試してみる。そんなささやかな積み重ねが、きっと日常を豊かにしてくれるはずです。
また、すでに自分が何気なく行っていた行動が載っていると、共感すると同時に、気恥ずかしくなるものです。たとえば私は仕事柄、郵便を使うことが多いのですが「書類には付箋や一筆箋を添える」「切手にこだわる」などは、気が向いたらやっています(地方の書店にPOPを送るときに、偶然その土地の名所が書かれている記念切手を持っていたらそれを貼るなど)。もっとも、そんなところまで気づいてもらえるかは分かりませんが、気づいてもらえたら嬉しいし、気づいてもらえなくても、切手を選んでいる瞬間、少しだけ温かい気持ちになれます。
他にも、ページの端に載っている補足が丁寧だったり、MEMOや付録のページにもこだわっていたりと、本書そのものにたくさんの気くばりが詰まっています。一冊持っておけば、トラブルが起きたときの対処にも、良いことがあったときの+αにも、柔軟に対応できるはず。まさに、攻めにも守りにも役立つ大人のためのハンドブックと言えるでしょう。ちなみに、タイトルには「オトナ女子」と冠していますが、男性にとっても強力な味方になる一冊ですよ。
(文・望月竜馬)
『相手もよろこぶ 私もうれしい オトナ女子の気くばり帳』
編:気くばり調査委員会
イラスト:ますこえり
発行:サンクチュアリ出版
ISBN:978-4801400405