遊泳舎の本棚048『目でみる数字』

年末ジャンボ宝くじの1等に当選する確率を知っていますか?

答えは、0.000005%。ちなみに1年間で車の事故に遭う確率は0.9%、雷に打たれて死亡する確率は0.001%だそうです。

これらの数字を見れば、宝くじの1等当選は相当ハードルが高いことがわかります。宝くじに限らず、時間やお金、電話番号、テレビのリモコンまで、私たちは「数字」に囲まれて生活をしているのです。

私たちの身の回りにある「数字」に対する好奇心に正面から応えているのが、今回ご紹介する『目でみる数字』です。

遊泳舎の本棚Vol.032」でご紹介した『くらべる京都』と同じ「目でみることば」シリーズである本書は、大きく使った写真とわかりやすい解説でさまざまな数字を掲載しています。

たとえば、魚のハリセンボン。その名の通り全身にたくさんの針が突き出た姿をしていますが、実際には何本の針があるのか知っている人は少ないのではないでしょうか。本書では、見ているだけでチクチクしそうだけど、どこか愛らしい膨らんだハリセンボンの写真とともに実際の針の数が記述されています。

危険を察知すると「針」が付いた体を膨らませて威嚇することから、その名がついたとされる「ハリセンボン」。ただ1000本も「針」があるわけではなく、通常は350本から400本くらい、多くても500ほどだという。

P12「目で見る数字 その1」より


このような実際の数を検証したPart1「かぞえる数字」の他にも、Part2「はかる数字」では、花火の玉の「五寸」「一尺」「三尺」を並べて比較した写真が登場し、「こんなにも大きさが違うのか」と驚かされます。また、Part3「しらべる数字」に登場するのは、傾斜22%の坂がどのくらい急勾配であるかが一目で分かる写真。「22%は自転車で上ったら、しんどいだろうな」と臨場感たっぷりに、まさに“目で見て”感じることができます。


普段、気に留めていないかもしれませんが、私たちの身の回りは数字に溢れていて、興味を持って深掘りすれば「数字はこんなにも面白いんだ」と気づかせてくれる一冊です。

(文・中村徹

目でみる数字
著:岡部敬史/写真:山出高士
発行:東京書籍
ISBN:978-4-487-81336-0

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