遊泳舎の本棚028『新 13歳のハローワーク』

中学生の頃、なりたかった職業はなんですか?

私が13歳のときになりたかったのは、野球選手でした。その後、20歳を過ぎてから書籍の編集という仕事に興味を持ち、幸いにも現在は好きな仕事をさせてもらっています。

今回の「遊泳舎の本棚」は、13歳に向けた職業紹介の大ベストセラー『新 13歳のハローワーク』のご紹介です。

本書は、13歳に向けて様々な職業を紹介した『13歳のハローワーク』を改訂した「新版」です。旧版から大きく変わった点として、「数学が好き・興味がある」「保健・体育が好き・興味がある」「休み時間、放課後、学校行事が好き・ほっとする」など興味のある教科や事柄から職業を探せるようになっています。

紹介されている職業、一つひとつは数百文字程度と、そこまで掘り下げてはいませんが、世の中には、どのような仕事があって、その仕事に就くためには何が必要なのかということを考えるキッカケを与えてくれる内容になっていると感じました。

職業や働き方は時代とともに変化していくものです。本書は2010年発行であるため、現在とはややズレがある部分もあるかもしれません。しかし、著者である村上龍氏の言葉は、働くことに“やりがい”を見出す大切さは、時代を問わず普遍的であることを教えてくれます。

世の中には2種類の人間・大人しかいないと思います。それは、「偉い人と普通の人」ではないし、「金持ちと貧乏人」でもなく、「悪い人と良い人」でもありません。2種類の人間・大人とは自分の好きな仕事、自分に向いている仕事で生活の糧を得ている人と、そうでない人のことです。

「はじめに」より引用


どんな仕事でも大変な場面、しんどい場面はあるはずです。

そんなときでも、私は壁を乗り越える努力をすることができますし、チャレンジすることを楽しめています。それは、私がしている仕事が「好きなこと」だからに他なりません。

夢中になれる仕事を見つけること。それは人生が楽しくなる近道なのではないでしょうか。

(文・中村徹

新 13歳のハローワーク
著:村上龍
イラスト:はまのゆか
発行:幻冬舎
ISBN:9784344018020

Begin typing your search term above and press enter to search. Press ESC to cancel.

Back To Top