遊泳舎の本棚036『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』

家で過ごす時間が増えて、新たな趣味や内職を始めたという知人が何人かいます。人が変わるきっかけや、挑戦するきっかけは、どんなタイミングで訪れるか分かりません。

人生における大きな選択のうちの一つが「仕事」でしょう。私が生まれた田舎町では、当時、新卒で地元の企業に就職する同級生が大半でした。そして、基本的にはその企業で定年まで働きつづけるのが大前提。失業も転職もその道を踏み外すことに等しく、そのハードルは極めて高かったように思えます。

東京に来ると、仕事に対する考え方は少し違っていました。もちろん初めて勤めた会社で頑張りつづける人もいるけれど、転職も別に珍しいことではありません。さらに、「転職」という言葉に「スキルアップをして上を目指す」というような、前向きな意味が含まれていることもあるのが驚きでした。

とはいえ、知らない業界にいきなり飛び込むのは誰でも勇気がいることです。自分にどんな能力や適性があるのかも、なかなか判断できるものではありません。そんなとき、目に見える形で具体的に「仕事」と「自分」を線でつないでくれるのが「資格」ではないかと思います。親に「手に職をつけなさい」と言われたことのある人も多いのではないでしょうか。本書はまさにそんな「手に職」のリアルを解き明かしてくれる一冊です。

学校のなかでもさまざまな仕事を知ることはできますが、学外にはあたなの知らない職業がたくさんあります。もしかしたら、この本で初めて知った名前の職業があなたの条件にぴったり合うかもしれません。今まで見たことも聞いたこともない職業のページも、ぜひ読んでみてください

P15「準備編1/中・高・専門学校・大学生のあなたへ」より


著者の華井さんは、ライターとして数々の企業の取材を行ってきました。パティシエやウェディングプランナーといった華やかで女性に人気のある職業が実は離職率が高い事実など、職業ごとのイメージと実際の働きやすさには大きな差があるといいます。結婚や出産を見越して働くとき、それぞれの職業にどんな特徴や苦労があるのか、取材の中で出会った生の声が図鑑形式でまとめられています。

各職業のページには、「未経験OK」「資格が必要」「自宅でできる」といった気になる項目がラベルで示されていたり、どんな仕事内容で、どんな性格の人に向いているかといったポイントが簡潔にまとめられていたりします。また、その職業に就くための資格取得の難易度や、勤務時間や給料といった具体的な情報はもちろん、その仕事をより深く知るためのおすすめの本が掲載されているのも嬉しいポイントです。高橋由季さんの可愛らしいイラストとともに、100の職種が1見開きごとにひとつずつ紹介されているため、様々な職業について楽しく触れることができます。

この本を手に取ってくださった皆さんが
自分を犠牲にするのではなく
自分と家族、どちらも大切にする毎日を送ってくれたら
これ以上嬉しいことはありません。

P6「はじめに」より


時代とともに仕事との向き合い方も変わってきた今、未来を考えるためのきっかけのひとつとして、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか。

(文・望月竜馬

一生困らない 女子のための「手に職」図鑑
著:華井由利奈
発行:光文社
ISBN:978-4-334-95041-5

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