「人間とは何か?」を問う、日本一エグい辞典が登場!
アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』を原案に、500単語を悪魔的視点で書き下ろし。
さらに150点を超えるユーモアたっぷりのイラストも収録しました。
文字とイラストの両面から人間の本質を問う、問題作です。
『ロマンスの辞典』(著・望月竜馬/絵・Juliet Smyth)とともに、“言葉を楽しむ辞典”として立ち上げた「YUEISHA DICTIONARY」の第1弾!
言葉の魅力をより引き出すイラストもたくさん収録された、時に深く、時に笑える、遊べる辞典です。
- 著:中村徹/絵:Yunosuke
- 定価:本体1600円+税
- 判型:四六判変形(ハードカバー)
- 頁数:288P
- 発売日:2018/12/4
- ISBN:978-4909842008
まえがき
アンブローズ・ビアスに愛をこめて
16歳のときに、古書店で手に取った一冊の本の衝撃を今でも忘れられない。その本の名は『悪魔の辞典』。1911年にアメリカで出版されたアンブローズ・ビアスの名著である。
様々な言葉の意味を、まったく別の角度から再定義したビアスの『悪魔の辞典』は、辞典という形式を取りながらも、定義という名の鎖に繋がれた言葉たちを解放し、自由を与えたといっても過言ではない。その風刺を利かせた視点やユーモアたっぷりの言い回しが、私の捻くれた性格に拍車をかけたのは無論である。
本書は偉大なる文筆家、アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』を原案として、ビアスに魅せられた捻くれ者が作った、新しい『悪魔の辞典』である。語句の選定、意味・用法の記述については、人間の普遍的な滑稽さに加え、現代社会や我が国特有の習慣に対する風刺や疑問点などを軸に、筆者の主観で決めさせていただいた。また、掲載した言葉の多くにはイラストも添えているので、そちらも楽しんでいただきたい。どのイラストも、文章の刺激をより増幅させる絶妙なスパイスとなっているはずだ。
とはいえ、100年以上前にビアスが解き放った数多の言葉たちを再び鎖に繋ぐ気など毛頭ない。本書を手にしてくださった読者の方々それぞれが「こんな考え方もあるのか」「この言葉は私ならこう定義付けする」というように、一つひとつの言葉について考える機会になれば、幸いである。
著・中村 徹(なかむら・とおる) 編集者・ライター。高知県出身。大学でコミュニケーション学を専攻。
『悪魔の辞典』『ロマンスの辞典』『1000年以上つづく例大祭 くらやみ祭ってナンだ?』『言の葉連想辞典』など数々の編集・執筆を担当。 言葉やビジュアルを通して、人生を考えるきっかけになる本を探求する。
Yunosuke(ユーノスケ) イラストレーター/グラフィックデザイナー。広島県出身。都内在住。 雑誌、書籍のイラストレーションをはじめ、ショップ・企業ののロゴ、グッズのデザインなど イラストとデザインの両面から幅広く活動中。