遊泳舎の本棚 005『日本の最も美しい図書館』

大学時代、キャンパス内で最も好きだった場所は図書館でした。講義の合間には必ず図書館で過ごしたものです。いろんな書籍や雑誌、新聞を読むのも好きでしたが、ズラッと並んだ本を眺めたり、端から背のタイトルを見て、面白そうな本を探したりできる、その空間が心地良かったのだと思います。

今回ご紹介するのは、遊泳舎から最も近い図書館「武蔵野プレイス」が巻頭で紹介されている『日本の最も美しい図書館』です。

本書は国内の美しい図書館41館を掲載した写真集です。各図書館の成り立ちはもちろん、建築や設計についても触れているので、建築様式に興味がある人も楽しめる内容になっています。

明治時代の建物を改修して、今も使い続けているレトロな図書館もあり、日本の図書文化の歴史を感じさせられます。一方で、個性的な最新の建築デザインでつくられた近未来的ともいえる図書館もあり、その対比をみるのも面白いです。

経済産業省の近代化産業遺産に認定された第2工場は、1998(平成10)年、私立図書館に生まれ変わりました。約100年の風雪に耐えた味わい深いレンガを補強・修復して再利用。

「洲本市洲本図書館」より引用


また、B5版の大きな判型で見る多数の写真からは、空間としての魅力も余すことなく伝わってくるので、純粋な写真集として眺めるだけでも一見の価値ありだと思います。

図書館は、ただ本を借りるだけの場所ではなく、成り立ちの歴史や建築美も含めて、空間をも楽しめる場であることを改めて感じさせてくれました。

本書に掲載されている美しい図書館を実際に訪れてみたり、近所の図書館に行ってその空間の心地良さに浸ってみたりしてはいかがでしょうか。

(文・中村徹

日本の最も美しい図書館
著:立野井 一恵
発行:エクスナレッジ
ISBN:978-4-7678-1985-3

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